文化支援

当社は、シャッターをキャンバスに見立てた「シャッター壁画」を通じて、 地域社会の活性化に向けたお手伝いを進めています。

浅草絵巻(東京都台東区)

「江戸」の風情を残す浅草・仲見世商店街に情緒あふれる絵巻。
全長380メートルのシャッター壁画『浅草絵巻』を実現!!

浅草といえば、いまでも「江戸」の風情を残す、情緒漂う下町です。地方からだけでなく、海外からの観光客もひっきりなし。なかでも賑わっているのが浅草寺の表参道となる仲見世通り。雷門から宝蔵門に至る参道の両側に軒を連ねる店々は、覗いて歩くだけでも楽しめますが、閉店後の夜を彩り、楽しめる仕掛けがあるのです。

仲見世通り全商店のシャッターの総延長は約380m。この浅草仲見世商店街全89店舗のシャッターを一大キャンパスに見立て、浅草の伝統行事や四季の風物詩が芸術性豊かな『浅草絵巻』として描かれているのです。浅草仲見世の閉店後のシャッター活用、商店街の活性化、浅草の新名所づくりなどを目的に企画・制作されたこの取り組みは、1989(平成元)年、仲見世商店会と東京芸術大学、そして浅草を創業の地とする当社の共同事業として実現。元絵の制作は、東京芸術大学の平山郁夫教授研究室(当時)が「地元のために」と担当して頂きました。

この『浅草絵巻』の完成から17年。仲見世商店街店主や関係者の中から、「いいもんだから残そうよ!」「お色直しをして仲見世の来訪客に楽しんで頂こう」という機運が高まる中、2006(平成18)年12月4日、「浅草仲見世シャッター壁画」が17年ぶりに全面リニューアルされました。当日は浅草雷門前の仲見世商店街入口で完成披露が行われ、浅草在住でゲストの林家正蔵師匠による「金龍の舞」の龍への眼入れにより、『浅草絵巻』に新たないぶきが吹き込まれました。

「三社祭」「ほうずき市」「浮世絵」「金龍の舞・白鷺の舞」などをテーマとした元絵は、グラフィックメディア法により印刷されたフィルムをシャッターに直接貼りつける技術が採用されています。

閉店後のシャッターの役割を環境創造の観点から見直し、新しいコミュニケーションの形を創り出そうという狙いに、地元と企業と芸術家の三者が一体となった従来にないユニークな事業。日没から夜11時まで続く浅草寺のライトアップとあいまって、夜の浅草に華やかな彩りを添える“寝姿”を、ぜひ一度ご覧ください。

神輿に下町の魂が躍動する
「三社祭」

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5月中旬に繰り広げられる東京三大祭りのひとつ『三社祭』。浅草神社に3基の神輿を奉安するこの祭りは、江戸の年中行事として古くから親しまれ、江戸の夏を感じさせる独特の雰囲気をもっています。まさに、下町の魂が躍動する祭りです。

夏を彩る江戸風物詩
「ほおずき市」

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7月10日、浅草観音の四万六千日の縁日に、ほうずきを売る露店が観音堂周辺にズラリと並び、大きな市がたつ――それが『ほおずき市』です。ほおずきの篭や吊りしのぶにかけられた風鈴の音が、夏の江戸情緒をいっそうのものにします。

浅草の心を写す鏡
「浮世絵」

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浮世とは今の世という意味があり、『浮世絵』とは現実世相の風俗を写した絵ということのようです。つまり庶民の目の高さで、庶民の求めるがままに、庶民の中の絵師が描いた絵であり、まさに庶民文化の漂う浅草の心をよく写しているのではないでしょうか。

心を奪う流麗な舞
「金龍の舞・白鷺の舞」

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『金龍の舞』は3月18日に、観音様を慕う金龍の所作を舞にした豪壮かつ華麗な舞。『白鷺の舞』は11月3日、白鷺の縫いぐるみを着た8人の乙女による上品で清楚な舞です。いずれも華麗な舞の中に、美しい下町の心を見いだすことができます。

■ 元絵集

『浅草絵巻』の元絵制作は、1989年当時、東京芸術大学・平山郁夫教授の監修のもと、福井爽人助教授をヘッドに1班を4名とする4グループがあたり、仲見世商店街のシャッター面原寸の10分の1の大きさで描かれています。

※制作者(敬称略)
<第一巻>梅原 幸雄、伊達  良、廣嶋 敬久、大瀧 隆夫
<第二巻>北田  克己、藁谷 実、井坂 洋一、小田野 尚之
<第三巻>手塚 雄二 、家本 佳生琉、湯山 東、丸山 庸次
<第四巻>佐々木 正、吉村 誠司、藁谷 剛巳、阿部 好克

なお、制作頂きました元絵全四巻は、浅草仲見世シャッター壁画『浅草絵巻』の完成20周年を機に、2009(平成21)年4月7日、浅草仲見世商店街の地元である台東区に寄贈致しました。

浅草仲見世商店街のWEBはこちら

姫路藩鉄砲洲警衛絵巻(兵庫県姫路市)

世界文化遺産「姫路城」前の家老屋敷館に江戸末期の行軍シーンを再現
全長134mのシャッター壁画「姫路藩鉄砲洲警衛絵巻」が登場!!

姫路といえば、国内はもとより海外からの観光客にも人気の国際観光都市ですが、この姫路を代表するのが白鷺城の呼び名でも有名な「姫路城」。1993年に日本で初めてユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の世界文化遺産に登録され、2001年には国宝指定70周年と築城400周年を迎えた人気の観光スポットとなっています。

この姫路城の玄関口である大手門前には、江戸時代後期の歴史イメージを再現した「家老屋敷跡公園」が整備されています。遺構街路の復元をはじめ、食事や土産品が充実した武家屋敷風建物「家老屋敷館」が立ち並ぶこの公園。地元の方には憩いの場として、また、観光客には姫路城観光の基点としての役割も担っていますが、この公園内にある4棟の「家老屋敷館」が閉店後の夜を彩る景観スポットとなっているのです。

この姫路の夜を彩る仕掛けとは、「家老屋敷館」の店舗シャッターをキャンバスに、姫路市が所蔵する史料「行軍横図 鉄砲洲警衛絵巻」が、高さ2.3メートル、全長134メートルの巨大絵巻『シャッター壁画 姫路藩鉄砲洲警衛絵巻』として忠実に再現されているものです。 このシャッター壁画の元絵となった史料は、1853年、ペリー提督の来航を期に幕府が諸藩に対して江戸湾沿岸の防備を命じた際、担当地域となった鉄砲洲と佃島に向けて行軍する酒井家中の隊列の様子が描かれたもの。この全三巻からなる絵巻を元絵に、グラフィックメディアという手法を使って印刷されたフィルムが、大通りに面した36ヶ所の店舗のシャッターに直接貼り付けてあるのです。

シャッター壁画の元絵は、これまで門外不出の史料として姫路市が所蔵してきましたが、地元や観光客に対して歴史的に価値のある史料を広く紹介したいという姫路市の意向と、シャッターのビジュアル化によって姫路の景観づくりに貢献したいという当社の希望が一致した結果、2008(平成20)年3月19日にシャッター壁画「姫路藩鉄砲洲警衛絵巻」事業は実現しました。

東京・浅草の仲見世商店街のシャッター壁画「浅草絵巻」に続いて、国際観光都市・姫路に完成した「シャッター壁画 姫路藩鉄砲洲警衛絵巻」。ともに当社創業の地に、当社オリジナルの技術によって完成した巨大絵巻。この景観芸術を、夜空に浮かび上がる姫路城をバックに歴史のひとときに思いを馳せながら、また、少し早起きして姫路城の周辺を散策しながら、ぜひ一度足を運んでご覧ください。

■ 元絵
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姫路市所蔵の史料「行軍横図 鉄砲洲警衛絵巻」