第三者意見

駿河台大学名誉教授・博士(経営学)
水尾 順一様

(株)資生堂から1999年駿河台大学助教授、2000年教授を経て、2018年4月名誉教授に就任、現在に至る。(株)ダイセル社外監査役、経営倫理実践研究センター首席研究員、2010年ロンドン大学客員研究員他。著書『サスティナブル・カンパニー:「ずーっと」栄える会社の事業構想』(株)宣伝会議など多数。

企業でCSRの実務を推進し、大学でその理論構築をして「CSRの理論と実践の融合」を社会に促進してきた立場から、BXグループ(以下、同社)の「CSR報告書2019」について以下に第三者意見を申し述べます。

● 高く評価できる点
“奉仕”の遺伝子(DNA)が育まれつつ、「挑戦と革新」に取り組む姿勢が見える化されています。

企業には経営理念をもとに、長年育まれてきた遺伝子(DNA)があり、企業の持続可能な発展の源になるといわれますが、同社には創業者の言葉に基づく、“奉仕”の遺伝子が育まれていると感じます。
「CSR報告書2019」では、お客様の「ライフ・イン」や「ライフロング・パートナーシップ」など安心・安全への貢献をもとに、新しい技術や装置などを具現化させ、止水マスターシリーズの開発や気候変動への適応などに取り組んでいる様子が開示されています。
このように、同社は時代が求めるCSRの重点課題に対応し、“奉仕”の遺伝子を育みながら、常に「挑戦と革新(チャレンジ&イノベーション)」の企業文化を創造する姿勢をうかがい知ることができます。
“奉仕”の遺伝子は、「CSR報告書2019」で開示されたBXグループ共有価値の創造への取り組みとして、同社65年のBX-CSVの軌跡にも十分にみることができます。
加えて、筆者は昨年「CSR行動指針とESG、さらにはSDGsとの連携」について提案申し上げましたが、今年度版の報告書にはCSR4憲章マテリアリティとして、ESGとSDGsと連携させながらCSR4憲章ごとに重点課題を再設定し発表しております。これらの内容は、BXグループ独自のCSR4憲章を盛り込んだもので、他社に類をみない極めて独自性と創造性に満ちており、また他の模範ともなる秀逸な内容であり、「挑戦と革新(チャレンジ&イノベーション)」の企業文化を創造する姿勢そのものということができます。

● 今後に期待する点
従業員が「考動力」を発揮しレジリエントな組織となることを期待します。

先述の通り、CSR4憲章マテリアリティは全社戦略として社内外から高い評価をえるものと確信しています。その浸透・定着には、同社のすべての組織と従業員がCSR4憲章マテリアリティを自組織あるいは自分の立場に置き換え、その実現に向けて何をどのように取り組んでいけばよいか考え行動する力、「考動力」が必要です。その点で同社の“奉仕”の遺伝子は、上司や部下そして仲間たちが、従業員一人ひとりをサポートし、その考動力を発揮できるように支援することも、多大なエネルギーを生むことになると考えます。
現代のようにビジネス構造がめまぐるしく変化する厳しい環境の中にあっても、BXグループがこうした活動を通して、しなやかに適応して生き延びる力を育み、“柳に雪折れなし”という言葉のような、「レジリエンス(resilience:しなやかでありつつ、強くたくましい)」のある組織として、持続可能な発展を成し遂げられるよう心から祈念申し上げます。

第三者意見をいただいて

文化シヤッター
執行役員
CSR統括部長
松山 成強

BXグループのCSR報告書につきまして、引き続き貴重なご意見を頂戴し、誠にありがとうございます。創業者から受け継ぐ「奉仕」の精神を具現化する当社グループのこれまでの事業活動を、このようにご評価いただきましたことを大変嬉しく思います。「CSR報告書2019」の発行にあたっては、ESGごとに開示した「財務・非財務ハイライト」や、地球温暖化に起因した気候変動への「緩和と適応」にアプローチする適応ビジネスについて、止水事業を特集として取り上げるなど、内容を一新し編集しました。とりわけ昨年アドバイスいただいたESGおよびSDGsとの連携につきましては、BX-SDGs委員会を立ち上げ、4憲章の掲げるビジョンとの照合を図りながら、当社グループが重点的に取り組むべき社会課題をSDGsの17の目標で熟考し、4憲章ごとのマテリアリティを再設定するに至りました。この設定プロセスは、当社グループのこれまでの取り組みが、持続可能な社会の構築に向かって歩むべき道筋に沿っていたことの確信となり、自信を持たせてくれました。そしてCSR憲章のめざす未来と、SDGsのゴールとが一致することを改めて認識し、当社グループが重点的に取り組むべき課題が明確になりました。今後、このCSR4憲章マテリアリティの実践に向かい、まずは従業員一人ひとりに当社グループの担う役割について理解を促し、「自分ごと」として課題を捉える意識の浸透を図ることで、グループ全体が切磋琢磨しながら「考動力」を発揮できる人財集団となることが求められています。これからもBXグループの総合力を発揮することで、持続可能な社会の構築をめざしさらなる努力を続けてまいります。