第三者意見

駿河台大学経済経営学部教授・博士(経営学)
水尾 順一様

(株)資生堂を経て1999年駿河台大学助教授、2000年教授、現在に至る。日本経営倫理学会副会長、(株)アデランス社外取締役、(株)西武ホールディングス企業倫理委員会社外委員、経営倫理実践研究センター首席研究員、2010年ロンドン大学客員研究員他。著書『サスティナブル・カンパニー:「ずーっと」栄える会社の事業構想』(株)宣伝会議など多数

企業でCSRの実務を推進し、大学でその理論構築をして「CSRの理論と実践の融合」を社会に促進してきた立場から、BXグループの「CSR報告書2017」について以下に第三者意見を申し述べます。

● 高く評価できる点
BXグループのCSR経営について、「伝統と革新」の視点からわかりやすく開示されています。

企業経営は、創業の精神を守りつつ新たな社会課題に挑戦をすることが重要で、常に「伝統と革新」の連続です。同グループは、創業以来の「伝統」である社是「誠実・努力・奉仕」を守りつつ、未来に向けた「革新」として「ポスト2020VISION:進化する快適ソリューショングループ」を2016年に定めました。その第一歩として、新中期経営計画(5ヶ年)を策定し、「BXグループの持続的成長」と「持続可能な社会の実現」の一体化をめざした取り組みをスタートさせています。
また、特集記事『「新しい価値創造」への挑戦とBXグループの成長』から同グループ60年の歴史と社会課題の解決に向けた取り組みを、さらに『震災に強い製品づくりで「安心」「安全」な社会の実現に貢献』では、ライフライン環境防災研究所の活動を通した防災ソリューションの開発・拡充への取り組みが開示されています。
こうした「伝統と革新」の活動を通じて、社是・経営理念にある「お客様の幸せ」という創業者の思いが今日まで貫かれていることが示され、その意味からも秀逸な報告書であると言えます。

● 今後の改善に期待する点
普遍的価値のCSRを大切にしながら、時代が求める社会課題への取り組みを期待します。

CSRは、コンプライアンスから始まり、社会貢献活動まで含めた幅広い概念で、いつの時代も大切な 「普遍的価値」といわれています。当報告書では、ISO26000の7つの中核課題を踏まえつつ、CSR憲章と行動指針をもとに憲章で定める4テーマごとに年度目標の実践と評価が開示されており、普遍的な取り組みということができます。
一方、当報告書では、今の時代に求められるCSV(共益の創造)、ESG(環境、社会、企業統治)、人権・労働を重視する「働き方改革」についても触れられ、新しい取り組みが進んでいることが伺えます。
時代の要請に応じた重点課題への対応は、多様な価値のCSRを生み出し同社のイノベーションを促進する効果が期待できます。今後も普遍的な価値のCSRに加えて、重点課題としての新しいCSRへの取り組みにより、創業60周年から80周年、そして次の100周年に向けて持続可能な発展に結びつくことを心から祈念しています。

第三者意見をいただいて

文化シヤッター
執行役員 CSR統括部長
松山 成強

当社グループのCSR報告書につきまして、水尾先生には昨年に引き続き、貴重なご意見を頂戴し、深く感謝申し上げます。
この度のCSR報告書では、本業を通じた社会への貢献と企業成長の両立をテーマに、内容を構成しております。創業当初より社会課題に真摯に向き合ってきた当社グループの姿勢が、今日の成長・発展へとつながっていることは、ステークホルダーの皆様のご協力があってこそと、真摯に受け止め感謝しております。水尾先生には、このような当社グループの企業文化という「伝統」と、中期経営計画に掲げる「革新」の関係を高くご評価いただきました。この事は大変嬉しく、社是・経営理念に沿ったCSR経営を推進していく上で、大きな励みとなりました。
当社グループのCSRは、社是・経営理念に基づいた「CSR憲章」を根幹として活動しており、4つの柱からなるこの憲章はグループ全従業員の活動指針となる、いわば羅針盤です。ご指摘いただきました通り、今後も「CSR憲章」を基軸にした取り組みは普遍なものとして継続するとともに、時代の要請やステークホルダーの皆様からの期待に応じた重点課題を明確にし、グループ一丸となって取り組んでまいります。その努力こそが、社会の持続的発展とグループの成長・発展の両立の実現につながると信じております。