BXグループの戦略的CSR

BXグループは、優先して解決すべき社会課題を「CSR4憲章マテリアリティ」として4憲章毎に設定しており、BXグループが誇る「技術力・施工力」は、社会と共有する価値の創造をめざした成長モデル「BX-CSV」の構築を支えるコアコンピタンスです。

BXグループの強み「施工力」

一連のバリューチェーンを支える「技術力」を活かし、建物空間に最善の価値を生み出し続けているのが、創業以来培い、継承してきたBXグループの「施工力」です。
行動の指針となる「文化シヤッター 設計施工 理念と行動」、それを実践する工事員を基盤として、施工能力、施工品質、施工効率の3つを向上させることで、ステークホルダーに提供する価値の最大化をめざしています。
施工力の強化を支える
基盤づくり

日本の建設業就業者の高齢化が進んでいます。中長期的な若手人材の確保と定着率向上はBXグループだけでなく、建設業界全体の課題となっています。

設計施工の行動指針

BXグループの「施工力」強化には、製品施工を担う工事員の確保、安全管理、コンプライアンスの強化などが重要になります。BXグループでは、より強固な基盤を構築するため、設計施工における理念や行動指針を従業員の共通価値とすることを目的とした「文化シヤッター 設計施工 理念と行動」を2019年に制定しました。

工事員の確保と定着率の向上
工事内製化

文化シヤッターでは、製品の取り付け等の施工作業を主に協力会社が行っており、担い手となる工事員の高齢化や人材不足が課題となっています。そこで2019年度、社内に工事課を新設し、工事員を社員(以下、BX施工社員)として採用する、工事内製化を開始しました。BX施工社員は施工技術研修や熟練工事員の指導によるOJT研修などで経験を積み、6カ月~1年後の自立をめざします。
工事内製化の推進により、安定した待遇の雇用創出を実現すると共に、文化シヤッターの「施工力」の基盤である工事員の確保、定着率の向上を見込むことができます。将来的にはBX施工社員が中心となり、標準施工や独自の施工技術を継承していくことで、グループ全体の施工品質の維持、向上に努め、「より高いレベルの安心・安全」の確保につながることを期待しています。2019年度はBX施工社員2名、外国人技能実習生4名を採用、2025年度までに100名体制の構築を目標に制度整備を進めています。

VOICE
文化シヤッター 設計施工企画部 工事課
LÊ TRỌNG THẬP (レー チョン タップ)

日本の高度な技術を身につけるため、技能実習生として文化シヤッターに入社しました。ベトナムとの文化や言語の違いに戸惑いながらも、日々の課題に全力で取り組んでいます。日本で働き始めて驚いたのは、作業スケジュールや納期の管理を徹底していることです。施工現場での安全第一はもちろんのこと、納期までに品質の高い製品を確実に取り付けることができるよう、先輩から専門的な技術や知識を吸収し、一日も早く一人前の工事員として自立したいと思います。
日本で培った経験を活かして、ベトナムの日系企業で活躍することをめざしています。将来はベトナムの技術発展や日本との関係づくりにも貢献していきたいです。

BXグループの施工力を
強化させるための取り組み

「施工力」を強化するため、施工教育体制の拡充、独自の資格制度の構築など、工事員が主体性を発揮できる取り組みや制度整備を進めています。

工事員・営業担当者の施工能力の向上
工事員の教育体制の拡充
文化シヤッターでは、「知恵と技術を結集し、空間に最善の価値を提供し続ける」を設計施工における一つの理念とし、工事員の施工能力向上や多能工化をめざした独自の教育プログラムを構築しています。教育機会を増やすため、結城研修所(茨城県)と姫路研修所(兵庫県)の東西2拠点体制を整備し、新人工事員研修や特別教育(職長教育、低圧電路、アーク溶接等)など、多様なプログラムの研修を年間30回以上実施しています。またコンプライアンス意識向上や施工現場での基礎ルールの理解・浸透のため、営業担当者を対象とした勉強会やe-ラーニングを実施し、「施工能力」の底上げを図っています。
今後は工事内製化により増加するBX施工社員の教育を強化し、“施工技術の継承者”の育成を進めていきます。
新人工事員研修
シャッター技能研修
主な研修一覧
新人工事員研修、職長・安全衛生責任者教育
有機溶剤業務従事者に対する労働衛生教育
高所作業車特別教育(作業床の高さ10m未満)
フルハーネス型墜落静止用器具特別教育
その他各種特別教育、軽中量シャッター新人工事技能研修
溶接技能認定研修、各種製品研修、設計研修
2019年度の研修参加人数 のべ 2,156名
施工品質の確保
独自の施工資格制度の構築と運営

文化シヤッターでは、独自の「認定工事製品工事資格制度」を構築し、施工精度が特に品質に直結する製品を、専門的な研修を受講した工事員(認定工事士)のみが施工できるようにすることで、安定的な施工品質を確保しています。中でも大型シャッター、重量シャッター等の施工に必要な「溶接技能認定」では、実技試験の実施、試験設備での施工品質チェックなど、より高い施工品質を担保するために認定基準を高く設定しています。
全工事員の認定工事資格の取得率は34.8%(2020年4月時点)。今後も教育体制の強化による資格取得率向上を図ると共に、より安定的でお客様満足度の高い施工品質を追求していきます。

施工効率の向上
施工マニュアル環境の整備

施工技術・手順を平準化し、現場での施工効率を向上させるためには、研修等による施工教育だけでなく、施工マニュアル(取付説明書)の活用が必要です。しかし、施工時には製品の取り付けに応じて複数のマニュアルが必要になる場合が多く、紙印刷が基本の従来のシステムでは「量が多く現場に持参できない」「すぐに別のマニュアルを閲覧できない」といった課題がありました。
そこで文化シヤッターでは、タブレット端末やスマートフォンで時間・場所を問わず閲覧が可能で、参照が必要なマニュアルにすぐに遷移できる等の機能を備えた「新施工マニュアル閲覧システム」の運用を開始しました。これにより、施工効率の向上が期待できると同時に、製品改良による施工方法の変更を迅速に反映できるといったメリットも生まれます。今後は工事員が施工手順をより正確に把握できるよう、マニュアルに動画や音声を付加し、さらなる施工効率向上をめざしていきます。