成長と共に

誠実な企業経営

コーポレート・ガバナンス
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方

BXグループのコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方としては、株主や投資家の皆様をはじめとして、お客様、お取引先様、地域社会の皆様などのステークホルダーのご期待にお応えする事業活動を実現するために、さらなる経営の透明性向上の観点から、経営のチェック機能を充実させ、かつ公平性の維持継続を図るため、コーポレート・ガバナンス体制の強化や充実ならびに適時的確な情報公開を行っています。
また国内取引所での上場会社を対象とした「コーポレートガバナンス・コード」が適用されたことに伴い、当社グループは本コードを適切に実践し、持続的な成長による企業価値の向上を図り、ステークホルダーの皆様ひいては経済全体の発展に寄与するという考え方に賛同し、さらなるコーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいます。

VOICE
文化シヤッター 取締役監査等委員(弁護士・社外取締役)
藤田 昇三

BXグループは創業以来、「誠実」を社是の第一の柱に据え、着実な成長を遂げてきました。日本資本主義の父といわれる渋沢栄一も、名著「論語と算盤」の中で、誠実な経営を企業の永続的成長の基本条件としています。
現在、当社グループは中期経営計画のもと「社会および環境課題の解決への貢献」をめざし、「進化する快適環境ソリューショングループ」としてシャッター、ドア等の基幹事業とエコ・防災事業等の注力事業を推進しています。これは、長期的な企業価値の向上に向けたESG経営の実践であると共に、国連の定めたSDGsの多くの目標にも沿うものです。
目下、明るく風通しの良い社風を活かし、計画達成に全社一丸となって取り組んでいます。働き方改革をはじめ、動きの激しい社会経済状況において経営者の役割と責任はますます大きくなっています。これに伴い株主共同の利益の確保という目線で経営を監督すべき社外取締役・監査等委員の責務もまた、一段と重くなっているものと自覚しています。
その一員である私も、法律専門家としての知見と組織運営の経験を踏まえ、他の社外取締役との連携のもとに、厳正な監査を行うと共に、取締役会においては、取り分けコンプライアンス、内部統制、リスク管理の観点から、忌憚のない質問と意見開陳に努めています。今後も引き続き社長以下執行部門の取締役や従業員との意見交換および現場視察等による幅広い情報収集と実態把握を心掛け、誠実な経営に貢献してまいります。

取締役会

文化シヤッターでは2019年度において、計8回の取締役会を開催しました。法令や定款、取締役会規定をはじめとした内規に基づき、株主総会に関する事項、重要な組織・人事に関する事項、決算に関する事項、重要な財産等に関する事項等の重要事項について決議を行う一方で、経営における責任体制を明確化し、意思決定の迅速化を図る目的から、取締役会決議において各担当役員への権限委譲を行っています。2020年8月現在の当社取締役会は、当社事業に精通し、事業の特性を踏まえた迅速かつ的確な意思決定のできる社内出身者による業務執行取締役9名および独立社外取締役3名を含む監査等委員である取締役4名により構成されています。

取締役会の実効性評価

文化シヤッターでは2019年度において開催した取締役会の実効性について、全ての取締役に対して、「取締役会の構成」「取締役会の運営」「取締役に対する支援体制」「取締役自身の取り組み」「監査等委員会について」「総括」の5つの項目から構成される全46問のアンケート形式による自己評価を実施しました。
各取締役の自己評価の結果、取締役会は、概ね適切に機能しており、取締役会の実効性が確保できていると分析・評価した一方で、取締役会の実効性をさらに高めていくために、重要案件の進捗報告や業務執行報告のさらなる充実等の必要性を再認識いたしました。
今後は、各取締役の自己評価結果および意見を踏まえ、認識された課題の解決や実効性評価項目の見直し等に継続的に取り組むことで、取締役会のさらなる実効性の向上に努めてまいります。

社外取締役のスキル・多様性

文化シヤッターでは、社外取締役を選任するための独自の基準または方針は定めていませんが、会社法等の法令や東京証券取引所の独立性基準に準拠して選任することとしています。
飯名隆夫氏は、東急建設株式会社の元代表取締役副社長として、主に建設業界における企業経営者としての豊富な経験とその経験に基づく高い見識があります。藤田昇三氏は、高等検察庁検事長をはじめ、検察官としての要職を歴任され、また退官後は弁護士として活動するなど、法律分野に精通した豊富な知識と高い見識があります。阿部和史氏は、株式会社UACJの出身であり同社における豊富な実務経験に加えて、常勤監査役として職務経験も持ち合わせています。
このように社外取締役3氏は、各分野における豊富な経験と高い見識を有しており、事業活動への助言を行うとともに当社の意思決定の妥当性・適正性の確保に貢献しています。

監査等委員会による監査・内部監査の実施

文化シヤッターでは、監査等委員会設置会社として、監査等委員である取締役が取締役会における議決権を持つことなどにより、取締役会の監査機能を一層強化しています。当社の監査等委員会は社外監査等委員3名を含む4名の監査等委員で構成されており、経営の透明性確保を目的として、適法性、妥当性の面から取締役の職務執行状況の監査を行っています。監査等委員監査では、取締役会・常務会はもとより、営業・製造に関わる社内重要会議への出席や重要書類閲覧のほか、グループガバナンス体制強化のため、CSR統括部監査室および経営企画部と協働して、海外を含むグループ会社への往査を実施するなど、職務執行の全般を業務監査しています。また、CSR統括部や事業本部業務部が、事業本部、支店、工場、営業所などを対象に計画的な内部監査を実施、内部監査部門および会計監査人と随時情報や意見を交換し合う三様監査の体制を整え、監査が実効的に実施される体制を確保しています。

VOICE
文化シヤッター 取締役監査等委員
阿部 和史

「誠実をもって社会に奉仕する」という当社の創業の精神は、事業活動をするうえで大前提となる社会との関係のあり方を重視した企業本来のあるべき姿であり、当社は誠実と奉仕を社是の柱に据え、今日まで成長・発展を遂げてきました。そしてその成長を支えてきた従業員との関係についても、一人ひとりの自主性を重んじ、意欲的に取り組むチャレンジ精神を会社が応援することで働きがいを感じることのできる明るい社風が受け継がれています。
現在当社は「進化する快適環境ソリューショングループ」の実現をめざし、中期経営計画のもと、持続可能な地球環境に貢献するエコ事業と、さまざまな災害を想定し、安心・安全な生活環境を提供する防災事業を推進しています。気候変動への「緩和と適応」に本業でアプローチし、経済的成長と両立させていく当社の取り組みはESG経営の実践と言え、さらにSDGsの目標達成をめざした世界的潮流に沿うものでもあります。
しかしながらSDGsがめざすものは世界規模の壮大なチャレンジであり、グローバルな課題に対して、当社にでき得ることがまだまだあるように感じ、私の前職の経験から、今後お役に立てることがあるのではないかと思っています。
社外取締役の役割は、業務執行とはまた別の第三者的な視点で企業価値を向上させることです。健全なガバナンス体制の確立に責務を負い、同時に質を高めることで経営を適正な方向に導く役割を担っています。経営執行に対し、厳しく監査を行うと同時に、経営陣をサポートすることでBXグループのさらなる成長に貢献してまいります。

コーポレート・ガバナンス体制図 (監査等委員会設置会社移行後)

コンプライアンスの強化

BXグループでは、法令遵守はもとより社会規範や企業倫理に基づいた行動を一人ひとりが実践するよう、遵守すべきルールを定めたCSRガイドラインを制定しています。全従業員にはコンプライアンス意識の向上を図る機会として、常時携帯できるコンパクトサイズの「CSR憲章手帳」を配布、e-ラーニングによる学習のほか、社内ポータルサイトで短時間に学べる「こんぷらだより」の定期配信を行っています。また、各エリアにおいては、集合研修の実施のほか、事業所においても定期的な勉強会を実施できるようテーマ毎に教材を提供するなど、組織単位で不正を許さない風土づくりに努めています。
コンプライアンスの浸透に評価基準を設ける「コンプライアンス監査」体制の構築をめざし、定期的に全社的な意識調査を実施、結果を分析し、教育や評価項目設定の参考としています。今後もさらなる実態調査を進め、組織的にコンプライアンス違反を防止するための環境づくりを推進していきます。

リスクマネジメント
製品事故・品質異常の対応
BXグループは、製品事故、品質異常に迅速かつ適切に対応するため、危機管理体制を構築しています。製品事故や重大な品質異常の情報は各拠点を通じて品質保証部に報告され、法令、安全性、事故拡大などの観点から重大化する可能性があると判断された場合には、各会議において審議を行います。
会議では、法令遵守や安全性に主眼をおき、告知や改修の必要性を含め対応を検討し、社長との協議を経て最終決定を行います。製品事故、品質異常の情報から、迅速に原因究明を実施し、対策を講じることで再発防止を図ると共に、これらの活動を水平展開することで改良・改善につなげています。なお2019年度は重大製品事故の発生はありませんでした。
2019年度には従来より実施している「重要部品の管理に関する規程」を改訂し、製品事故・品質異常を未然に防止する体制の基盤強化を図りました。また、新しい試験装置や評価技術を順次導入するなど、より高い安全性を確保するための評価基準の向上に努めています。今後もお客様により安心・安全な商品を提供することで、BX製品の信頼性向上に努めていきます。

CSR調達に関するガイドライン

BXグループでは、近年さらに取り組みの強化が期待されている社会・環境への影響を真摯に受け止め、公正・公平・公明な取引はもとより、地球環境保全の観点からもサプライチェーン全体で社会からの要請のお応えするため、「調達ガイドラインの推進」を優先して取り組むべき課題と捉え、サプライヤーとの信頼関係を基礎とした連携体制の構築を図っています。
コンプライアンスの徹底や「品質(Q)・コスト(C)・納期(D)」を担保した調達と、地球環境の持続可能性の両立をめざし、CSR購買およびCSR調達に関する考え方や基準を明確に設け、実践しています。特に品質(Q)では、「取引先評価表」においてBXグループが求める品質基準に基づき、お取引先様の自己評価とBX評価を共有する相互チェックの機会を設けるほか、定期的な品質監査の実施によりリスク管理の徹底に努め、さらなる調達力の強化を実施しています。今後も持続可能な調達をめざし、CSR調達の推進のより強固な基盤づくりを図っていきます。

  1. 社会規範の遵守
    サプライヤーに対して、CSRへの考え方や取り組みに対して共通の認識を持てるよう、定期的な情報発信、指導を実施し、CSR意識の浸透を図っています。
  2. 購入品に関する品質の確保
    サプライヤーの品質管理状況を把握するために、定期的に監査を実施することで、調達する原材料や部品、製品の品質の向上と安定を図ります。
  3. 地球環境保全
    サプライヤーに対して、ISO14000の取得状況やグリーン購入に関する実態調査を実施します。
製品の安定供給

BXグループでは大規模災害の発生を想定し、製品の安定供給を図るため、事業継続計画(BCP/BCM)を策定しマネジメントに取り組むことで、製品の供給責任を果たします。

〈通信の確保〉
被災状況を迅速かつ詳細に把握するため、各工場に衛星通信機器を設置し、本社を含めた拠点間の連絡体制を構築しています。
〈調達BCP〉
  • サプライチェーンの二重化
    原材料については、複数の供給拠点から速やかに代替品が調達できるネットワークを構築しています。また、サプライヤーとさらにその先の生産・供給拠点に関しても、必要な情報を網羅したシステムを構築し、情報の見える化を進めています。
  • 自社での最低在庫の確保
    主要部品や部材については、東西デポを利用した在庫のバッファー機能により、安定的な供給体制を構築しています。
  • 調達に関するガイドラインの整備
    各サプライヤーに対し、CSR調達に関するガイドラインを浸透させ、さらなる安定供給の徹底を図ります。
  • 自社在庫状況の見える化
    文化シヤッター7工場で購入品の在庫状況を見える化し、情報共有することで、部品・原材料が効率よく供給できるシステムを構築しています。
〈製品の供給〉
  • 製造システムの対応
    工場が被災した場合に、他工場への代替生産が可能となるシステムを構築しています。機能の拡充を図り、より円滑な代替生産の実現をめざします。
  • 物流体制の構築
    グループ内の物流網を再構築し、事業間で物流情報を共有することで、被災状況の情報とあわせ、最適なルートの検索や車輌等を確保できる体制を構築していきます。
情報セキュリティ

BXグループでは、情報資産のセキュリティ確保のため、「電子情報管理規定」および「ハードウェア及びソフトウェア管理規定」を制定し、積極的にセキュリティ保持活動に取り組んでいます。全社のPC機器やUSBメモリ等外部媒体の暗号化、iPad等のモバイル機器の遠隔での情報消去やパスワード強化等の情報漏洩対策を実施しました。また、災害を想定して全てのサーバー機器をデータセンターに集約し、バックアップを含め安全な環境を構築しています。さらに、標的型メール攻撃(マルウェア対策など)の訓練を実施し、従業員のセキュリティ意識の向上に努めています。なお、2019年度はセキュリティに関する重大な事故等の発生はありませんでした。

大規模災害発生時への備え
文化シヤッターでは、大規模災害が発生した場合の備えとして、下記の対策を実施しています。
  1. 「大規模災害時緊急対応カード」を配布し、周辺避難施設や、津波の到達時間や高さ等を把握できる体制を整備しています。また、帰宅困難が予想される場合には、早期帰宅等の対応を行っています。
  2. 全事業所において、勤務者全員の備蓄品を完備しています。特に本社ビルにおいては、来訪者および周辺住民のための追加備蓄をしています。
  3. 多数の勤務者がいる事業所においては、大規模災害発生を想定した防災訓練を定期的に行っており、冷静に安全対策を講じるための訓練を行っています。
  4. 交通機関等が麻痺した場合に備え、本社ビル勤務者を対象とした徒歩帰宅訓練を実施しています。今後は大阪や名古屋等の都市部拠点においても同様の訓練を実施する予定です。